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甲斐駒から鋸岳

メンバー:T,I,F,K(L)

 

鋸岳は、高校3年生の時に甲斐駒と仙丈岳へ一人でいったときに戸台への河原沿いの道でヘルメットを持った人達を見て、南アルプスにこんな岩山があるのかと興味を持ち、いつか行ってみたいと思っていた。今回メンバーに恵まれ、念願の鋸岳へ行くことができた。

 

9月17日

20:30に加島駅集合を目指して、京都出張から帰宅を急ぐ。帰宅後即効で着替えを10分でし、買い出ししてもらった食料を詰め慌てて出発。走ってもバスに乗り遅れたりしながら何とか集合場所である加島駅へたどり着く。

既に揃っており、Tさんの運転で出発。途中運転を変わるつもりだったが結局Tさんがノンストップで運転していただき、1:00過ぎに戸台へと到着。思っている河原へたどり着かず、人んちの庭のようなところへ到着。日曜日には天気が崩れそうなので、甲斐駒へ行ったことがない他の3名の意見を聞き、計画の逆コースである甲斐駒から鋸岳への縦走とテキスト ボックス:  
バスからの鋸岳
し、北沢峠へのバス始発である仙流荘へ車を移動、テントにて仮眠をとる。

加島駅20:30−戸台1:15−仙流荘2:00

 

9月18日

始発バスは6:10、ゆっくり寝ていると放送が4:30頃から入り、しかたなく起き準備する。バスにゆられて7:00前に北沢峠へ到着。途中鋸岳の鹿窓や大ギャップなど稜線がよく見えこれから行くルートを見るがよくわからない。北沢峠から双児山経由で甲斐駒を目指す。駒津峰ではガスがだいぶ出てきたが、時折甲斐駒や摩利支天が見えた時に写真を撮る。これが甲斐駒が見えた最後(?)だった。せっかくなので直登ルートである岩場から登る。重荷には結構こたえるが、ぼちぼち登り11:35に甲斐駒山頂へ到着。辺りはガスに覆われているが記念写真を撮り、予定通り六合目石室を目指し進む。

調子に乗って下っていると砂地の下り、あれぇ変だな?と思っていると踏跡なくなる。右手の岩稜が正解のようで軌道修正、正しいルートへと戻る。途中新しい鎖が張られた岩場も通過する。全くテープやペンキがなかったのが、このテキスト ボックス:  
鹿窓
辺りから急にくどいほど表示が現れ、「石室」表示のある岩のところから六合目石室へと進む。石室の周囲は石壁、床はなく土の上だが赤いトタン屋根もありなかなかよさそう。小雨も降り出したのでここで幕営とする。

水があまりなく、水場を探しに行くが結局わからず。後から来たパーティに聞くと左手の涸沢をかなり下ったところにあったとのこと。そこまで降る元気がなかった。テントを張り、水が残り少ないため持参したビールで乾杯、荷減らしのため焼き豚を始め肴も大放出し楽しいひとときを過ごす。雨は思ったほど降らず、屋外に置いたコッフェルにあまり水は溜まらなかった。

仙流荘6:10−北沢峠7:00/7:32−駒津峰10:10/10:25−甲斐駒山頂11:35・12:00−六合目石室13:35

 

9月19日

テキスト ボックス:  
第二高点にて
4:00起床、雨は降っていないようだが風がきつい。視界も利くためもう少し先まで行き判断することにし先を目指して出発する。

しばらくは樹林帯、時折稜線に出ると強風と少し心配になるが、だんだん風もおさまり天候回復の期待も高まる。中川乗越へは思ったより早く到着。視界もある程度利き風もそこそこなのでそのまま進むことに決断、ルンゼ状に岩が積み重なった登りを行き、鉄剣の突き刺さった第二高点へ到着する。鉄剣というより御札かお墓かという感じだった。

ここからいよいよ大ギャップ。樹林帯の急坂を降りていき、大ギャップルンゼをトラバース、下降に入る。踏み跡を頼りに降りていくと、右上方に踏み跡が。事前に調べた記録では中央稜をトラバースする所もややこしそうだったが自然と踏み跡に入りトラバースしていくと鹿窓からのルンゼへと出た。このまま直登かと思ったら左手の樹林帯方面へ踏み跡があり、そちらへ。先行パーティが鹿窓への登りで渋滞しているのが見えた。安全地帯で下降する6人パーティと行き違え、鹿窓への登りへと足を進める。ロープを出そうかと悩んだが、Tさん先行で登り、立派な鎖も整備されていること,上から団体が降りてくるとのうわさもありロープを出さず登ることにする。一箇所やらしいところがあるが鎖もあり問題無く通過した。鹿窓はくぐるように通過すると思っていたが意外に大きく、3mはある岩穴でした。上では単独の人が待ってくれていた。

この先の岩場トラバースから乗越す所も意外と緊張し、小ギャップの下りとなる。先行パーティの登りを見ているとやらしそうに見え、念のためロープを出すことにした。Tさんが先行して登ってくれるとのことで確保へとまわる。近くで見ると以外に簡単そう、テキスト ボックス:  
小ギャップの登り
登りの写真を撮ろうと先に登らせていただく。個人的には鹿窓の方が濡れた岩で細かくいやな感じだったが、女性人二人はこちらの方が急勾配でいやだったらしい。

この先は何ということなく第一高点へ到着、この頃になると時折雲が切れ青空が覗くようになるが展望が得られる所までは行かなかった。

角兵衛沢は、岩の詰まった涸沢で、踏み跡を外すと足場が不安定。ほぼ中央を下ったが、左方面の草付きへ行けばよかったようだ。途中からしっかりした踏み跡へ出て、岩小屋へ到着。事前の調査通り奥から水が染み出していて、この水がまたおいしい。ここへ泊まる予定だったが、時間も早く明日の帰阪を考え、出合いまで下ることにする。焼酎水割り用の岩清水を補給し、下山。まもなく樹林帯の下りとなり歩きやすくなる。いやになるほど下った頃に出合いへ14:10到着、鹿窓で会った単独の人が幕営していたようで、テキスト ボックス:  
角兵衛沢の岩小屋
なかなかよいテン場である。今宵はここに宿泊とし、あるだけの呑みものと肴を出し、Tさんたっての希望のたき火もし、すべて消化する。

テントの中は傾いていたようで、4人が同じ方向に寝るのは難しいと思われ、天候が回復し星空を期待し、一人外で寝ることにする。

空は、雲が出て星が見えなかったり、時折雲が切れ満天の星空になったりと変化が激しい。明け方、うつらうつらしていると突然の雨、慌ててテントへ避難する。もうすぐ4:00、そのまま起きよう。

六合目石室5:50中川乗越7:30/7:50−第二高点8:25/8:40−鹿窓9:40−第一高点10:25/10:45−角兵衛沢岩小屋12:10/12:45−出合14:10

 

9月20日

朝食を食べ、最初の難関が戸台川の徒渉。昨日の下見通り岩を跳んで渡るが、約一名は川を渡りたいとのこと。靴を脱ぎ裸足で川の中を徒渉。

あとは河原沿いの道をひたすら下山。途中大きな岩の前で休憩がてら岩に登って遊び、戸台へ7:00到着。車止めのある川沿いの林道を進み、立派なトイレを過ぎると車道と合流、直ぐに戸台大橋へと到着する。 

バスまで約50分、歩くと3.6kmなので小一時間。橋のゲート管理人にバス代を聞くと300円+荷物代200円!これを聞いて即効で「歩こう!」と言ったTさんが面白かった。

バスよりも早く着こうと頑張って歩き、8:00過ぎに仙流荘の駐車場へ到着。けっこうがんばりました。時間が早く、事前に調べていた高遠温泉さくらの湯が開いていないこと(10:00から)、駒ヶ根に中央アルプスも見えるいい場所があるとのTさん情報で、そちらを目指すことにする。

途中、ドリップコーヒーも購入し、河原沿いの公園でコーヒータイム。残念ながら中央アルプスは見えなかったが、なかなかよい公園でした。

その後、温泉にて汗を流し、大阪目指して出発。養老SAで遅めの昼食後運転を代わり、後ろは次に行く山で盛りあがる中順調に車は走り、予想以上に早く16:00に加島駅前へ到着、解散した

 

出合/5:15−戸台7:00−戸台大橋7:20−仙流荘8:03−駒ヶ根9:30−加島駅16:00

 

最後に

(1)鋸岳は、赤テープやペンキがないと聞いていたが、8月大ギャップで死亡事故があったことが原因か、一部ではくどいほどの表示がありうんざりした。ないと不安な場合があるが、あれは多すぎると思う。鹿窓や小ギャップの鎖は立派で、これがあればロープはいらないのではと感じた。

(2)コースとしては穂高の岩稜を安全に歩ければ問題ないと思う。但しあまり踏まれていないので落石を起こさないよう十分注意が必要。

テキスト ボックス:  
第一高点で
(3)今回、予定を変更し甲斐駒から鋸岳へ行ったが、こちら向きのほうが有利な面がいろいろあるように思う。北沢峠までバスでは入れ、初日に六合目石室へ入れれば大きな登りがなく体力的に有利,大ギャップのトラバースルートが判りやすい,難所が登りであり、立派な鎖が整備された今、ロープはなくても大丈夫。逆コースの場合、下降にロープがあったほうが楽だが、鹿窓は1本なら50m位ないと中途半端か?

 

 

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