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大阪府勤労者山岳連盟救助隊

雪 山 搬 出 訓 練(2005.1.30

アルプス班

 

連盟救助隊では、おなじみの春の近畿ブロック搬出講習会に加え、夏の沢搬出,秋の岩搬出,そして冬の雪山搬出訓練を実施している。救助隊の運営委員をやらせてもらっているが、運営委員会になかなか参加できず、また秋の岩搬出にも参加できていない。今回の雪山搬出訓練打合せに参加できていないが、当日の訓練には何とか参加した。

129日朝、近所のT救助隊隊長(OWCC)に車で家まで迎えにきてもらい、途中A木さん(YMCC)をピックアップ、連盟事務所で装備の準備をし、一路比良を目指す。途中堅田で食料の買出し,志賀駅手前で昼食のラーメン(例年よく行っているがなかなかおいしい)を食べ、イン谷へ。遠くから見る比良山系は、上部こそ雪に覆われているようだが、下部は木の緑が目立ち、予定している堂満岳第一ルンゼでの訓練ができるか不安になる。国道からイン谷へ向かう辺りから残雪が見られるようになり、イン谷の公衆トイレ前は一面の雪。日帰りか、車も多く駐車されていた。幕営後、明日のために一ルンゼへ下見に行く。小一時間で出会いにつき、堰堤を二つ越えてルンゼへと入る。2年前に雪崩犬の訓練&デモをここでやったときには二つ目の堰堤に大きく雪庇が張り出していたが、今年はその半分もなく、やっぱり雪が少ないかと思われた。三つ目の堰堤も雪でつながっておらず、積雪は少なそうだが、深いところで2m弱、訓練ができそうなことを確認し、帰幕する。

日頃の睡眠不足か、21:00には我々のテントは消灯、遠くで「にしよど〜」のコールが聞こえるが起きる元気なく、そのまま夢の中へ!zzz・・・。このころには雨が降り出したが、夜半には雪に変わった模様。

翌朝、西淀テントが割と近くに張られていることを発見し、挨拶に。思ったより多くの方が来られているようだった。装備分担をし、訓練場所の一ルンゼへ移動。

訓練は、@ビーコンによる捜索,A埋没体験とゾンデ棒による捜索,Bシート梱包による引き上げ,引き下ろしを行った。搬送まで実施予定であったが、時間がなく割愛された。以下、それぞれの概要と思った点について記述する。

 

@    ビーコンによる捜索

ビーコンとは、電波発信モードで体に装着し、行動するが、万が一雪崩に巻き込まれたときに受信モードに切り替え、電波が発信されている方向を見ながら埋没者を探索、救助するものである。雪崩に巻き込まれると、圧死や途中岩や木に衝突することで助からない場合があるが、幸運にしてこれらのことがなく、雪に埋まった場合助かる可能性がある。但し、埋没後15分を過ぎると急激に生存確率が低下するため、迅速な救助活動が必要である。ビーコンは、埋没者の位置を特定するのに有力な武器となる。

 今回、最近出てきたデジタルビーコンの威力をまざまざと見せ付けられた。従来のビーコンでは電波が強さに合わせてLEDが点灯するので、ビーコンの向きを変えて方向を特定しなければならず、慣れるのに訓練を要するが、デジタルビーコンは、電波の強い方向を矢印,距離を数字で示すものであり、圧倒的に位置特定が早かった。訓練ではザックの中に発信ビーコンを入れ、ビーコンで位置特定,ゾンデ棒でピンポイントを探すまでを実施。概ね5分以内で位置特定できた。ビーコンの埋没位置が深く、2m近くとなると位置特定も難しくなることが分かった。

A    埋没体験とゾンデ棒による捜索

穴を掘ってその中に入り、上から雪をかぶせられると50cmの深さでも動くことができない。今回、前週に近畿ブロックの雪崩講習会で埋没体験をしてきたとのことで我々のグループでは埋没体験は実施しなかった。ゾンデ棒では、岩や地面と体やザックの感触の違いを体験。岩や地面は固いのに対し、ザックや体は弾力があり、今回の条件では違いはよく判る。以前、兵庫労山の氷ノ山捜索に参加したときには、ゾンデ棒で突いて弾力があり、ドキッとしたことがある。このときは、雪の中の空洞に伸びた木の根を突いていたのだが、雪の中に氷板の層があったりすると更に分かりにくい。機会があればまたやりたいなぁと思いました。

B    シート梱包による引き上げ引き下ろし

けが人が歩けず、背負いもできないときは、梱包して担架として運ぶが、雪山の場合引きずる方が楽なので、引きずって運びます。雪が体につかないようツエルトやテントのフライで包むように梱包します。けが人第一でシュラフに入れるなど保温に努めないといけないが、シュラフを忘れた!シュラフカバー+羽毛服+カイロでけが人役には我慢してもらう。梱包で必要な結び方は、クローブヒッチ,シートベント,バッチマン,変形8の字。興味ある方は聞いてね。

 斜面への引き上げでは、1/3システム(動滑車)を使います(これも興味ある人は聞いてね)。引っ張るのはいいが、介助者は大変。けが人は雪面を滑っていくが、介助者はラッセル,ラッセル,ズボズボ入る。また上にセッティングに行った人の踏み跡が段差になっており、けが人の頭がゴン!なかなかけが人にやさしくするのは難しい。

 引き下ろしは、確保器を使用。操作は難しくない。介助者一人はけが人の下側に連結し、少し足先を持ち上げるようにしながらいっしょにぶら下がって下るとスムーズ。もう一人がけが人をサポートするが、やっぱりたまに段差でけが人の頭がゴン!注意せねば。

 

ここで時間切れ。搬送は見送り、梱包を解き下山。イン谷には西淀メンバーも下山してきており、テント撤収中。イン谷前で反省会,感想を話し合い解散となった。装備片づけ中に西淀メンバーは一足先に下山。我々も装備積み込み後、坂本付近でちゃんぽん麺(熱かったがうまかった!)を食べ、連盟事務所で装備を干し、またまた家まで車で送っていただき帰宅した。

 

 

 

今年の搬出技術講習会は、4/3に開催。ハイキング組は、百丈岩へ行く途中から正面の尾根に向かったところにある大学セミナハウスにて開催されます。是非、こちらの方へもご参加ください。

 

 

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