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府連40周年記念行事

アルプス班 K山

 

飲んでいる途中に「予定日を過ぎても下山せず、救助要請が出された」とのメールが入る。これが、訓練の幕開けであった。

 

1.出動前日

6/9()、遠方へ転勤している会社の友人がこっちに帰ってきているとのことで、飲みに行こうという話になり、会社の近所で飲んでいた。19:20携帯電話のメールに「京都廃村八丁に入山したK会3名が予定日を過ぎても下山せず」の連絡が入る。メール末尾が切れていて良くわからず、飲んでいることもあり、飲み会後自宅に帰りパソコンメールをチェック、明日の朝に出動する旨連絡し、装備を準備し就寝する。

 

テキスト ボックス:  2.出動

6/10()、自宅を早朝に出発し、連盟事務所へ。事務所では林事務局長をはじめ数名の方が泊り込み待機されていた。その後続々と出動メンバーが集まり、加茂観光バスも到着、10:00過ぎに32名で出発する。

バスの中で救助隊事務局長の瀬畠さんから概要の説明あり。佐々里峠に自家用車があるのが発見されたが、登山計画書が提出されておらず、コースがわからないとのこと。途中のコンビニで休憩後、バスは、周山街道を経て細い林道へと入る。途中、バス一台がやっと通れる道幅を切り替えししながら入っていき、13:00前に佐々里スキー場跡に到着。各自で昼食を取り、ここにB..を設立となった。

本日は、時間も遅いとのことで出動はなく、救急法,ザイル担架による梱包の訓練となった。炊き出しを引き受けてくださった「きたろう」の面々は、早速夕食の準備に食材を現地調達に。その後、本部用無線基地局として八木アンテナのテストと、明日の出動準備,後発組が持ってきてくれたビールを川で冷やすなど準備を着々と進める。救助隊運営委員による打ち合わせを行い、@芦生から佐々里峠,AB..から品谷を経て品谷山,B佐々里峠から品谷山と3隊に分かれ捜索とし、3班の隊長に任命された。

18:00前にやっと準備などが完了し、明日の夕食となる。豚汁,ご飯ともおいしく、前菜として出された山菜の天ぷら,浅漬けもおいしかった。最後発隊の到着する12:00頃まで結局起きていた。

 

3.捜索と搬送

6/11()4:00過ぎに起床、朝食はバイキング形式のサンドイッチで、すでに出遅れたため食材が少ない。6:30にメンバーを集め、概略説明。品谷山に無線中継者を2名出すことにし、ベテランの方にお願いする。車で佐々里峠まで送っていただき、いよいよ捜索開始。無線中継者には先行してもらい、残ったメンバーは、声を掛けながら進むことにする。「Iさ〜ん」「Kさ〜ん」「Sさ〜ん」。歩き始めて20分ほどで笛の音が、、、。「ちょっと早いんじゃないの?」と思いながら、焦るメンバーを抑えつつ、呼びかけをしながら先へ進む。「おぉ〜い」、声も聞こえた、この下だ!本部に発見の連絡をとりつつ、事故者に飲ませるお茶の準備を指示し。事故者の元に近寄る。尾根から20mほど下の斜面にIさんが横たわっている。すばやく中谷さんが怪我の状態を確認し、処置へと入る。残った者へは尾根上への引き上げ準備を指示。事故の概要を聞くと「品谷山を越えた辺りでKさんが足首を負傷、救助を求めるために1人で佐々里峠に向かう途中誤って尾根下へ転落し足を負傷。救助を待っていた」とのこと。両足負傷していることもあり、ストレッチャーで搬送することにし、梱包と上部での引き上げ準備とに分かれ作業を進める。引き上げのセッティングは比較的早くできたが、搬出ルートの整備ができていない。小枝などの処理を指示し、梱包が終わるのを待つ。準備完了した。「セェーノー」掛け声を掛け、引き上げていく。だんだん姿が見えてくる。引き上げ完了。本部へ連絡する。本部からは、@佐々里峠方面へ搬送すること,A他の班も佐々里峠から応援に向かっているので必要な応援を受け,残りメンバー捜索に必要な情報を提供することの指示を受ける。ストレッチャーへの固定がよくなかったため、シュラフカバーへの搬入,マットを敷くなど梱包をしなおした後、佐々里峠に向けて搬送を開始。行きは、ここまで20分ほどだったが、搬送には時間がかかる。下りは滑らせればよいので比較的楽であるが、登りは、引き上げるのに力が要り、結構大変であった。途中K田隊に残り事故者の概要説明,搬送は我々だけで可能であることを伝え、先を急いで貰う。瀬畠隊ともすれ違い、車道が見えてきた。最後の急斜面を引き降ろし、佐々里峠に到着。佐々里峠の車道は、バイクの往来も多く、負傷者の搬送などに気を使うところだ。待っていた小倉号にIさんを乗せ、我々はおにぎりを食べしばし休憩。Iさんは、診療所へと搬送されていった。

 

4.搬送完了

我々は、残った事故者の搬出を手伝うよう指示され、再び品谷山を目指し、登り返す。背負いで搬送ということでストレッチャーは峠の車に置いておく。途中、866mピークを過ぎ、品谷山への登りに入る辺りで工作隊に合流。ここから工作の手伝いをしながら再び佐々里峠へ。急斜面ではチンチン電車にて下っていただく。さすがに背負い搬送は早く、背負い者を何人か交代し、比較的早い時間に佐々里峠へ到着した。

これにて訓練終了。B..に戻り、反省会を実施。ストレッチャー固定が悪く、引き上げのときは負傷しているはずの足に体が支えられる形で固定されていたこと、任務分担指示が悪く手間取ったこと(メンバーの名前がわからないことにも起因)などの意見が出た。全般的には、初めての山域で、何が起こるのか判らず、発生する出来事にいろいろと考えながら行動できたのは、良かったと思う。

 

5.反省会

 無事負傷者の搬送も完了し、バスにて連盟事務所へ。途中トイレ休憩も多く(なんでやねん)、17:00頃に連盟事務所へ到着。ここからいつもの反省会。しばしの歓談後、T居号にて自宅へ送っていただき、長かった2日間が終了した。

 

感想

事故パーティの情報説明がないなど情報を非公開で準備をすすめてきた訓練ならではのと思われる反省点や携帯メールの字数制限で尻切れとなるなども反省点と思われた。全般的にはうまくいったと思うが、実際には事故者は衰弱もしているだろうし、その辺りのケアが課題になると思う。

 

 

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