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2006年度冬山

涸沢岳西尾根〜奥穂高岳

 

 

 


2006年12月30日〜2007年1月2日

メンバー:FL,H,E,K山

 

何年か前に計画しましたが、いろいろあってコース変更で西穂へ。今回は再度計画し、晴天の中、奥穂高岳まで行ってきました。

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蒲田富士へ向かう

12月30日

例年であれば新穂高温泉に入るのに富山周りの囲炉裏のある電車神岡鉄道に乗って前夜から入るのだが、11月末で神岡鉄道が廃線。仕方なく色々調べた結果大阪から高山へ特急ひだで朝出発し、行くことになりました。

大阪駅に7:00集合、すでにHさんが来られていた。始発の雷鳥に乗る人でホームはあふれんばかりの混雑だが、電車が入線すると落ち着きを取り戻した。

江口さん,深井さんも集まり、多くの差し入れを持ったK田さんとH瀬さんの見送りを受け特急ひだで出発。車中は、慰安旅行のような感じでした。京都付近の山々は、年末の冷え込みで白くお化粧。さて、奥穂はどうだろうか?

高山駅には少し遅れて12:15頃到着。バスの出発時刻も迫っているので早速テキスト ボックス:  
蒲田富士手前のナイフリッジ
並び、バスに乗車し、車中で弁当を食べる。新穂高温泉には14:10頃着いた。

Fさんが計画書を提出し、入山状況を聞いてくる。数パーティ入っており、トレースは問題ないとのこと。白出沢出合まで2時間強かかるので早く出発をと思うが,リーダはのんびり。なかなかの大物ぶりであった。

新穂を14:35出発し、途中穂高平で小休止後、白出沢出合に17:00到着。雪は少ないようだ。整地後幕営を行い、何とか明るいうちにテントにもぐりこむ。やっぱり朝発は楽や。

晩ご飯は、昨年に引き続き江口家特製の鶏団子鍋をおいしく頂いた。

大阪駅=高山駅=新穂高温泉1410/35−穂高平15:50−白出沢出合1700

 

12月31日

放射冷却のためか、少し冷え込んだが約1名を除き快眠。7:40出発。白出沢を渡り、トレースをたどって尾根に取り付く。下部は笹ブッシュから樹林帯、トレースもあり快適に登る。途中、斜度がきつくなってきたのでアイゼンをつけ、急なところも木の根を持ちながら登る。向こうの尾根の森林限界と同程度の高度まで登った頃、10:152400mの幕営地に到着。思ったより狭く、込み合っているため上部を偵察。斜面を均せば幕営できそうなので皆を呼び、荷物をとりに降りる。登り返してくると作業が止まっている。どうも雪が少なく、均しているうちに地面が出てしまったようだ。更に上部を偵察してきたHさんが、上に幕営跡があり、拡張すればいけるだろうとのことで、移動することにする。

ここも狭く、雪をかき集め拡張工事をするもテントがぎりぎり。何とか寝床を確保し終えたがまだ12時にもなっていない。ここでくつろぐと先が長いので、蒲田富士まで偵察に行くことにする。Fリーダ、頭痛がするというので待ってたら?と言うも行くとのこと。

しばらく登ると右にトラバースし、南稜との合流点に到着。ここは悪天の下山時に曲らず迷いやすいところらしい。しばらく進むと上からの下山者が後ろ向きにルンゼ状を後ろ向きに降りてくる。左の岩稜にもトレースがあり、我々は行き違いのこともありこちらから登る。帰阪後本を見るとこの辺りが第一の要注意箇所のようだ。さらに上部に急なところがあるが問題なく通過し、蒲田富士へ1時環境で着く。この辺りから左を見ると大キレットから滝谷,北穂への稜線,右を見ると涸沢岳から奥穂,西穂へ続く稜線が見事だ。槍ヶ岳も穂先を中岳の上から見せている。風も無く十二分に展望を楽しむ。

明日登るF沢ノコル上部は、どうもルートがはっきりしない。沢状の斜面を下っているように見える。どんな感じなのだろう?

下りは、登りで岩稜を行ったところは固定ロープがあるルンゼ状の斜面を下る。15:00頃お家に帰宅。大晦日のささやかな宴席を設け、年越しそばを食べ就寝。夕日がきれいだった。

白出沢出合/7:40B.C.10:55−蒲田富士往復−B.C.15:00

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2400m付近のお宿
1月1日

朝食時のラジオでは天気は下り坂、何とか14:00位まで持ってくれればと思いながら6:35明るくなると同時に行動開始、この辺りは昨日も歩いているので安心して歩ける。南稜との分岐に標識をつける。ルンゼ状のところも昨日と同じく岩稜を行き、7:50蒲田富士へ到着。上から降りてきた人の話では、その人たちが最初の入山者で、2000m付近に幕営,雪洞にて幕営後往復していたらしい。トレースの御礼を言って分かれ、先へと進む。F沢のコルへ下り、目の前の岩場は右からトレースはまいている。雪も安定しているのでそのままトレース通りに進むと沢の中にトレースがある。少し迷ったがそのままトレースをたどる。最初は左稜線基部をたどるようなトレースであったが、そのうち沢のど真ん中を行っている。上から下ってくる人は、我々と行き違うため沢のど真ん中に新しいトレースをつけている。正月とは思えないコース取り。30分足らずで尾根上へ到達する。ここから岩稜を辿り涸沢岳を目指す。この辺りから見る滝谷は、黒々としており圧巻。稜線上は冷たい風も吹いているが、冬山ではましな部類。顔に吹き付ける風も冷たいだけで痛くなく、展望もよく効く。涸沢岳を8:55通過し、穂高岳山荘へ下り小休止。目の前には前穂高岳とそれから伸びる北尾根がきれいに見える。

テキスト ボックス:  
北穂高岳〜大キレット方面
いよいよ奥穂への登り。はしごを2段登り、一番やらしそうな雪の斜面もしっかりした踏み跡がついており問題なく通過。更にもう一段斜面を登り、岩稜を辿ると頂上の祠が見えてきた。10:10山頂到着。少し吊り尾根側へ行ったところが風がましかと思ったが、大して変わらず。ツエルトをかぶり小休止をする。もう少しゆっくりしたかったが、寒くなってきたので記念写真、ジャンダルム方面の写真を撮り、早々に下山。安心感を出すために江口さんと甫喜本さんはコンテとする。途中右に行くべきところをそのまま真っ直ぐ行ってしまったが、すぐに気づき正しいルートへ。心配していた斜面も雪質がよく問題なく通過。穂高岳山荘に11:05戻ってきた。ここでコンテも解除し、涸沢岳へ登り返し,西尾根の岩稜を通過。行きに沢を登ってきたところで、「どうする?」って聞いたが答えなく、雪質から問題ないだろうと考え、沢を下山。ここまで来ると風も無くなり、ぽかぽか陽気の春山のよう。F沢のコルへは右の尾根側へのトレースを辿り、ルンゼ状を下降。ここが本では第二の要注意点であった。

この先は、特に問題なく13:15B.C.へ下山。時間も早く、明日は天気も崩れるかもしれないこと,新穂での温泉などのことを考えて下山することに決定。テントを撤収し、14:00頃下山開始。疲れているため重力に逆らえず、白出沢出合に15:55着いた。避難小屋の前の広場を整地している間に甫喜本さんは少し先の沢まで水を汲みに行ってくださる。夜は豪華におせちも頂く。

今日も暖かく快適であったが、重臣とシュラフを交換して貰った寒がりは寒かったとのこと。

B.C./6:35−蒲田富士7:500−涸沢岳8:55−穂高岳山荘9:10−奥穂高岳10:10/25−穂高岳山テキスト ボックス:  
前穂〜北尾根をバックに
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奥穂高岳山頂にて
※ 写真では判りにくいが、強風が吹いていて
早々に退散した
11:05B.C.13:15−白出沢小屋15:55

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月2日

あまり天候は予想通り大きくは崩れていなかった。テント撤収し、7:10下山開始。ここからは林道なので特に問題なく穂高平に8:05到着。ここの小屋でコーヒーを頂いた。小屋の前には例年通り、干支の雪だるま(今年は巨大なイノシシ)があった。新穂高温泉には9:25到着。バス停前の温泉は9:30からとのことなので、靴を履き替えたりしているとちょうどいい時間になる。

温泉の湯量は少なく、半身浴。女湯は更に少なく、寝そべらないと温まれなかったらしい。10:30のバスに乗り高山へ。

高山で昼食,飛騨牛饅頭と店の中のみやげ物を物色後、国分寺をお参りし、みやげ物屋をさらに物色。

15:42発の特急ひだ改札前は長蛇の列だったが名古屋方面の人が多くいて、問題なく席を確保できた。車中で軽く反省会。19:56大阪駅に到着し各自帰宅の途に着いた。

白出沢小屋/7:10−穂高平8:05/20−新穂高温泉9:25=高山=大阪

(記 K山)

 

 

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